足立音衛門
2020年11月
京都府福知山市は、2020年(令和2年)のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公、明智光秀ゆかりの城である福知山城とその城下町があることで全国的に知られています。市の中心部に天守がそびえる「お城の街」というイメージの福知山ですが、現在では「スイーツの街」としても知られ、地域外にもその名が知られるスイーツの名店も多いようです。
というわけで、今回は全国の百貨店などにも店舗のある「足立音衛門」の本店、「仏蘭西焼菓子調進所 足立音衛門 京都本店」を訪れました。
足立音衛門京都本店(福知山市) |
公式ホームページによると、和洋菓子の製造販売を行なっている足立音衛門さんの創業は1991年(平成3年)で、株式会社足立音衛門が設立されたのは2005年(平成17年)とのことです。元々創業地である福知山の本社工房で製造した商品をインターネットをメインに販売されていたようですが、やがて東京や大阪の百貨店に出店。一方、福知山では工房脇に直売店を置いてましたが地元に拠点店舗を設ける構想を立ち上げ、2010年(平成22年)10月23日にこの京都本店がグランドオープンを迎えました。
足立音衛門京都本店は福知山城天守からも近い城下通り沿いにあり、600mほど北西には、城下町の面影を残すちょっとレトロな商店街などの他、明智光秀公を祀る御霊神社や御霊公園もあります。
こちらの本店の建物はなんと京都府の指定文化財となっている邸宅の一部となっています。この邸宅は明治末期から大正初期にかけて建築されたもので、大正時代の建築美を今に伝えています。店舗以外の邸宅の敷地内と建物の外観などは見学できる所が多いので後述します。
店内から見た玄関周辺 |
店内に入ると、まず日本家屋の造りを上手く活かした広い玄関となっています。
和室 |
玄関に入って左側はガラス張りの工房となっている一方、右側は生け花などが飾られた和室になっています。
右側の陳列棚 |
奥に進むと店舗ゾーンになっており、左側と奥がショーケースのカウンターとなっており、右側にも商品の並ぶ棚があります。
「栗のテリーヌ 『天』」 |
足立音衛門は「仏蘭西焼菓子調進所」 ということで焼き菓子のお店ということですが、やはり栗がたっぷり入ったパウンドケーキをはじめとした栗のスイーツが有名かと思われます。
ホームページには「自称栗おたくの店主『おとえもん』が、栗のふるさと『丹波』の地で世界中から厳選した素材を使い、母親が自らのお子さんに作る安心安全なお菓子作りのように一つ一つ素材に向き合い、心を込めた製品をご用意しています。」とあります。
商品のラインナップは、1本12960円(税込)の「栗のテリーヌ 『天』(木箱)」をはじめ、パウンドケーキやタルトなど様々な焼き菓子があります。特に栗を使ったお菓子の種類が多いのは前述の通りですが、使用される栗はそのお菓子に合わせて地元丹波産や国産はもとより、世界各地の栗が選ばれています。また、砂糖は四国の和三盆糖、塩は沖縄の粟国(あぐに)の塩が使われているそうです。
本店限定の「集栗夢」 |
こちらの京都本店では、大粒の品種「美玖里(みくり)」のペーストを使用した本店限定のシュークリーム「集栗夢(しゅーくりーむ)」(378円)もあります。
ジェラートコーナー |
さらに、本店にはジェラートコーナーがあり、栗や白下糖、和三盆のジェラート、和三盆のアイスがありました。
イートインコーナーはありませんが、店外にベンチなどがあります。
●仏蘭西焼菓子調進所 足立音衛門 公式ホームページ →https://www.otoemon.com/
文化財でもある本店
前述のように、足立音衛門京都本店の店舗は敷地面積約900坪の京都府の指定文化財である邸宅の一部を使用しており、店舗部分以外の建物の外観や庭を見学することも出来ます。
「福知山の歴史は水害との戦いの歴史でもある明治40年の大洪水の際、大規模な築堤工事が行われました。この邸宅は堤防の完成後、堤防の安全性を示すためにこの地を選んで建設されたと言われています。城下通り沿いに建つ邸宅は、明治末期から大正初期にかけて建築されました。店舗として利用している主屋の他に、2階建ての洋館・茶室・御殿・撞球場など9棟が840坪の敷地内に建っています。堤防沿いの高低差を巧みに利用して配置され、景観を作り上げる和洋折衷のモダンなたたずまいは、西洋文化を取り入れた素晴らしい建築美を今に残しているとして1997年に府指定の文化財となりました」
第1駐車場から見た洋館 |
店舗隣の第1駐車場の裏手には茶室があり、少し上ったところに白い洋館が見えています。
第1駐車場からの石段 |
庭園には第1駐車場の奥から入ることができます。
庭園内案内図 |
第1駐車場から庭園の石段を上ると洋館や土蔵の並ぶエリアに出ます。この土蔵の右側のものが明智蔵で、その隣が第2駐車場となっています。
洋館(左)や撞球場(右) |
和風の御殿や土蔵の他、2階建ての洋館や撞球場(どうきゅうじょう=ビリヤード場)があります。なお、撞球場前には福知山城天守のそばにもある明智光秀自販機が置かれています。
門の外から見た邸宅 |
撞球場や土蔵の間を抜けると裏側の門がありますが、こちらは第2駐車場の出入口でもあります。
こちらの門から外に出ると、目の前は由良川と土師川の合流点付近で、明智光秀が築いたとされる明智藪(蛇ヶ端御藪)を見渡せます。また、門の前の道を南に進むと福知山城まですぐです。
足立音衛門のスイーツ
今回は、数ある足立音衛門の栗スイーツの中から栗を使用したパウンドケーキを購入してみました。
マローネのケーキ |
「マローネのケーキ」(2980円)は、ヨーロッパ種でも貴重なトルコ産の「マローネ」栗を使用したパウンドケーキ。
開封前のケーキ |
パウンドケーキはアルミ?の袋に入っています。
マローネのケーキの全貌 |
パウンドケーキはカットされていない1本もので絶妙な焼き色となっており、はっきりとは見えないものの下半分にはごろごろとした栗の気配が感じられます(笑)。
カットしたマローネのケーキ |
マローネのケーキをお好みの厚さにカットしていただきます。断面を見ると、通常のパウンドケーキでは想像できないような量の栗が入っているのがわかります。ケーキの半分が栗ともいえる量です。
この栗はトルコ産の貴重なマローネ栗を砂糖煮にしたもので、日本では珍しいものだそうです。砂糖だけを使ってコトコト炊きあげたというマローネ栗は、絶妙な柔らかさと甘味があります。発酵バターや和三盆糖を使用したパウンドケーキの生地は洋酒がきいているもののしっとりと上品なケーキで、マローネ栗との相性も抜群の美味しさです。
なお、このケーキには、ギフト用化粧箱に入った「【紙箱包装】マローネのケーキ」(3090円)もあります。
アクセス
JR山陰本線・福知山線、京都丹後鉄道宮福線「福知山」駅北口から「お城通り」に出て「駅前」交差点から東に進み、約1km先にある「内記一丁目」交差点を北に進むと100mほど先の右側に足立音衛門があります。
福知山城公園からは、福知山市佐藤太清記念美術館前の歩道橋で「お城通り」を渡り、100mほど北に歩くと左手に足立音衛門がありますが、こちらは店舗裏手の洋館側となります。福知山城公園には「福知山駅前(北口)」バス停から京都交通バスまたは西日本JRバスなどに乗車し「福知山城公園前」バス停下車。または、まちなか循環路線バス(北ルート)に乗車し「福知山城公園前(ゆらのガーデン前)」バス停下車。
第2駐車場の案内 |
車の場合、舞鶴若狭自動車道福知山ICから4km弱西にある国道9号の「東堀」交差点から「お城通り」を北東に約1.2km進み、「内記一丁目」交差点を右折(北へ)すると100m程先の右側に店舗と第1駐車場があります。第1駐車場が満車の場合は横の路地から裏手に回ると第2駐車場もあります。駐車場は合わせて15台分用意されています。
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